抹茶タケノコ

毎週日曜に小説の感想を投稿しています。

【感想】小説の一口感想まとめ その73

遅刻したけどギリギリ読み終えました。

 

今週読んだ本の感想を語る記事その73です。

 

読んだ本には僕の好みへの適合度を示す指標として以下の基準で点数をつけていきます。

 

10~9:文句なしに好き。10点は特に好き

8~7:気になるところはあるけど見てよかった。面白かった作品。

6~5:面白かったけど、なんか気になる、もやもやするという部分が勝る作品。

4~3:最後まで見たけど、あまり感じるものがなかった作品

2~1:最後までみてもなんか納得できなかったり、無理して最後まで見た作品。

0:嫌い。

X:評価不可能

 

#109 終末のフール

終末のフール (集英社文庫)

 

9点。

3年後に小惑星が衝突し、地球滅亡が確定した世界で、8人の人物の残りの人生の生き方を描いた短編集。群像劇といった呼び方の方が正確かもしれません。

 

まず一言。面白かったです。

全てのお話が、読んだ後に非常に心地よい余韻をもたらしてくれる良作でした。

本編より5年前に地球滅亡を告げられている設定なので、そんな世界で5年も生きている彼らはどこか悟りを開いていて、残りの人生を生きようとする彼の姿にどこか哀愁を感じさせます。

「残りたった3年でも生きなきゃなんねえんだよ!」とか「残り3年!おしまいだぁ~!」みたいな差し迫った感じじゃなくて、「まあ、しょうがないし、やれることはやっておかないとね」ぐらい温度感なのが心地よかったです。

 

籠城のビールが個人的には好き。

全部面白かったけど、サブタイトルを読んでいるとハライチの澤部がちらつくことだけが難点。