抹茶タケノコ

毎週日曜に小説の感想を投稿しています。

【感想】スクスタ25章

Q.一番好きなスクールアイドルは誰?

A.黒……朝香果林です!!!!!

 

 

目次

 

 

だから僕はラブライブ!サンシャイン!!が好き

え?スクスタの話じゃないのかって?

 

まあ聞いてくださいよ。

 

優劣をつける意味ではなく、単純な好みとしての話ですが。

僕は無印ラブライブ(アニメ)より圧倒的にサンシャイン(アニメ)の方が好きです。

 

そして、あれだけ手放しでほめていたアニガサキよりも、やっぱり全体を通すとサンシャインの方が好きです。

 

なぜか?

 

黒澤ダイヤの存在も大きいですが、サンシャインの素晴らしかったところは敗者の視点を描いたこと、

 

そして何より敗者の救済をしっかりと描いたところが僕の中で評価が高い。

 

1期8話も2期9話も劇場版も。本当に好き。

 

そしてスクスタ25章も本当に素晴らしい話だったよ。

 

スクールアイドル「部」の光と闇

23、24章ではスクールアイドル部へ転部した成果が描かれました。

 

かつての仲間に嫌われる可能性を踏まえたうえで、より高みを目指したい。そう思ったDIVER DIVAの二人ですが、スクールアイドルトーナメントの結果(というよりは満足度)は正反対の結果に終わります。

 

我らが「楽しいの天才」こと宮下愛は、惜しくも敗退してしまったものの、せつ菜に1票差まで近づくことができました。

 

作中でせつ菜は実力者として描かれているせつ菜に勝利してもおかしくない領域にたどり着けた愛ちゃんは、スクールアイドル部への移籍による光の部分といってよいでしょう。

 

一方、朝香果林は1回戦敗退。

 

かつての仲間に嫌われてしまう可能性を承知の上で、部に移籍したのに、間違いなくスキルは上達しているのに、練習時間だって負けていないはずなのに、この結果。

 

果林が背負うのはスクールアイドル部移籍の闇の部分です。

 

冒頭で果林先輩は「同好会のみんなは部のことを良く思っていない」ということを承知の上で移籍したことが明治されたところでね、初めて監視委員という存在に明確な意味ができてね。よかった。ホント。

 

(ストーリ作成的には)もっといい方法があったかもしれないけど、

果林の覚悟と、覚悟に見合わない成果に重みをつける手法としては間違っていないと思う。少なくとも完全なノイズじゃなくなった。

 

 

目指すものの違い

今回の話の一番面白かったところ、そして僕が一番好きな展開である「敗者の救済」に必要なものですが、スクスタ25章においては「果林が勝てなかった理由は何か?」という問いから派生していくと思います。

 

まあこの問い答えは、21章の「なぜ、中須かすみは桜坂しずくの心をつかんだのか?」という問いと同じなんですが、結局自分が目指すものをハッキリと認識している人は強いんですよね。

 

目的を理解していれば手段もより適切なものを選べるようになるって話です。

 

今回の何が面白いかって、果林とランジュ目指すものが似ていることを明記しながら、二人の方向性の違いとランジュの勝因を分かりやすく表現したところなんですよ。

 

更にうまいのがそしてランジュはせつ菜に勝利した。だから部のやり方は間違っていないという理屈と、ランジュと果林の目指すところが似ているということ。

 

ここをちゃんと言葉にできたのすごいなあって思う。

 

果林とランジュが目指すものは似ている。

 

でも、目指すものを見失って手段だけに固執してしまったのが果林の敗因、と言ったところでしょうか。

 

エマ・ヴェルデの目指すもの

 

更に、果林にとって致命的だったのが、果林のセーフティネットとなりえるエマの目指すものがランジュの目指すものと相反する内容であったこと。

 

果林の魅力を一番理解しているのはエマ。

でも、エマの言葉では自分のスキルを高めることしか見えていない果林には届かない。

 

だから、果林は目指すものが分からなくなってズブズブと深みにはまっていったと。

 

近衛彼方の役割

でもな、そこをうまく繋いでいる彼方ちゃんが本当に素晴らしいんだよな。

 

果林ちゃんの魅力を一番理解してるのはエマだけど、

エマの譲れないことと、果林の理想を考慮して伝えられるのは彼方ちゃんにしかできない役割というか、彼方ちゃんらしい役割というか。

 

「譲れないことや理想があるのはみんな同じ」

「ギクシャクしたままでいるより、後ろでも横でもいいから進みたい」

 

と伝えることで、結果的に果林を責めてしまったエマの後悔をケアしているのが本当にいい仕事してる。

 

理想の違い故に衝突してしまった。どうしたらいいのだろう?

 

「意見が違ってもいい。喧嘩もしよう。大丈夫、絶対仲直りするもん」

 

 このセリフに答えがあるわけですよ。衝突してもいいんだと。

 

エマだけじゃこの答えは導けなくて、

彼方ちゃんだけじゃ果林の焦りを止められなくて

3人揃って初めて、この答えにたどり着いて和解に至ることができるという

すごくよくできたエピソードだと思う。マジで。

 

朝香果林の救済

なんか、エマと彼方ちゃんの話してたら本題の果林の救済が薄味になっちゃったな。

 

それぐらい3人の関係が濃密だったんですって。

 

一応、まとめるとね?

 

①果林が救済されるためには「自分が心から目指したいもの」を認識させる必要がある。

②そのために必要なのはエマから同好会時代の自分の魅力を聞くこと

③でも、エマは優しいから焦っている果林と喧嘩しないように、自分の譲れないところを我慢しないで、伝えることが難しい(実際にちょっと後悔する)。

④彼方ちゃんが「それでいいんだよ」と肯定する

⑤エマが、彼方ちゃんのおかげで衝突することを肯定できる。大丈夫、絶対仲直りするもん

⑥エマとのわだかまりがとけて、果林は②を達成できる

⑦果林は自分の心から目指したいものを見つけることができる

 

って感じ。なんか同じこと書いたきがする

25章全体の感想

なんていうかね。

 

20章からの積み重ねを考えると最初からこれをやりたかったんだっていうのがヒシヒシと伝わってきますね。

 

21章の焼き直しに見えるけど、

 

21章:自分の目指すものがはっきりしている人は強い

25章:仲間と目指すものが違ってもいい。それを認め合おう。譲れないもののために本気でぶつかりあおう。喧嘩をしても絶対仲直りできる。

 

っていうのが要点になるのだと思います。

 

仲間と目指すものの違いを認め合おうという話は、自分の目指すものを我慢しないためにソロという道を選んだ虹ならでは展開であり、非常に良いエピソードだったと思います。

 

 

 

前半でちょっと触れたけど、監視委員会の話もこのためにやりたかったんでしょうね。

 

部に移るということの決断を重くするために必要な要素だったと思います。

やっぱりちょっとやりすぎかな、って思わなくはないけど。

 

こういう部分もあるし、他のアニメラブライブと違い、「皆で同じ目標に向かって進もう!」みたいな感じじゃないので、スクールアイドル同士のぶつかり合いが嫌な人は嫌かもしれないですね。

 

僕は20章以降の話はかなり面白いと思ってます。

 

下手したら歴代のラブライブアニメと比較しても上位に入る。

不満点みたいな話

 

ただな~~~。

 

それだけに。推しの愛ちゃん回であった23、24章が踏み台になってしまった感が惜しい。

 

2章も割いた割には……っていう感じでした。

 

その分25章はめちゃくちゃよかったんだけどね??

 

ただまあ、愛ちゃんが完璧超人すぎてとり扱い難しそうって思うところはある。

 

アニメでもちょっとそんなところあった。

 

愛ちゃんって本当に天才で大概のことを自己解決しちゃうんですよね。

苦悩をしないっていうのはこういうジャンルでは致命的だなと思うこのごろ。

 

弱点がないのが弱点。よくよく読んでみると、愛ちゃんも結構追い詰められていたんですけどね。

 

毎回思うけど、ストーリーのラストを次の話の引きにするのは悪癖だと思う。ただでさえ尺がないのに。

 

あと流石に愛ちゃんちょっと面の皮厚いなって思わなくもない

 

26章以降の話

さて、20章以降多くのユーザーからヘイトをためまくっているランジュの話が動きそうですね。

 

僕はあの子大好きです。裏表のない子に見えるけど、そこはかとなく闇を感じる。しかも本人は無自覚の。

 

だから、ランジュの抱える問題と栞子の立場がどうなるのか楽しみでしょうがない。