今週、読んだ本の感想を軽く語る記事のその17です。
読んだ本には僕の好みへの適合度を示す指標として以下の基準で点数をつけていきます。
10~9:文句なしに好き。10点は特に好き
8~7:気になるところはあるけど見てよかった。面白かった作品。
6~5:面白かったけど、なんか気になる、もやもやするという部分が勝る作品。
4~3:最後まで見たけど、あまり感じるものがなかった作品
2~1:最後までみてもなんか納得できなかったり、無理して最後まで見た作品。
0:嫌い。
#38 凛として弓を引く
9点。
弓道をテーマにした青春スポーツ小説。久々にアタリを引いた気がします。
弓道のしきたり対して率直に「めんどくさい」と感じていた主人公・矢口楓が
次第に弓道を面白いと感じるようになり、
弓道の考え方に感化され精神的に成長していく過程が丁寧に描かれた良作です。
弓道を始めた動機が弓道に誘ってくれたイケメン目当という下心満載なのも青春っぽくてすごくいいですね。
過程に人を引き込む力があるタイプの作品なので、どんなシーンが良かったとか具体的には列挙しづらいですが、
楓の成長の集大成となる昇段審査のシーンでは胸が熱くなるというか、温かい気持ちになります。
自分がこうして弓道をできているのは様々な人々の支えがあって、当たり前ではないこと。
そして、支えてきてくれた人の教えが自分の中にあって、自分の射を作っていること。
それらを噛みしめて、昇段審査に挑む様がすごく爽やかで、最高の読了感を届けてくれました。
武道を通した青春スポーツ小説として非常に完成度の高い作品だったと思います。
ちなみに、私は弓道の経験は全くありませんが、弓道の描写も含めて存分に楽しめました。