抹茶タケノコ

毎週日曜に小説の感想を投稿しています。

【感想】小説の一口感想まとめ その24

今週読んだ本の感想を軽く語る記事のその24です。

 

読んだ本には僕の好みへの適合度を示す指標として以下の基準で点数をつけていきます。

 

10~9:文句なしに好き。10点は特に好き

8~7:気になるところはあるけど見てよかった。面白かった作品。

6~5:面白かったけど、なんか気になる、もやもやするという部分が勝る作品。

4~3:最後まで見たけど、あまり感じるものがなかった作品

2~1:最後までみてもなんか納得できなかったり、無理して最後まで見た作品。

0:嫌い。

X:評価不可能

 

#47 君のせいで今日も死ねない

君のせいで今日も死ねない。 (富士見ファンタジア文庫)

7点。

 

以前読んだ「隣の席の元アイドルは、俺のプロデュースがないと生きていけない」の作者さんの前作になります。

そうです。作者買いです。その時の感想は以下のリンクからどうぞ。

 

sol1116.hatenablog.com

 

本作のあらすじとしては、

 

自殺しようとしていた女の子に対して、

主人公が遊ぶ約束をなんとかして取り付けて、

女の子を死なせないようにする。

 

といったところ。

 

無難に面白い作品でした。

 

キャラクターの魅力がしっかりあって、お話も筋が通ってて、

特に引っかかることなく続きを読める質のいい作品なので、読んで損はしません。優等生的な作品ですね。

 

ただ、それだけに、特筆して語るポイントはあまりなかったかなあ、と思いました。

 

つけた点数からもわかるように、僕は作者さんの最新作「隣の席の元アイドルは、俺のプロデュースがないと生きていけない」のほうが僕は断然好みで面白かったです。

 

単純に、めんどくさくて重い女の子が好きというだけなのでしょうけどもね。

 

あのレベルを期待していた節があったので少し残念な気持ちはあります。

 

ただ、最新作と比較して、相対的に、という話であって、

単体では普通に面白くていい作品であることは念押ししておきます。

 

物語や登場人物の土台がしっかりしてる良作でした。

 

#48 確証

確証 萩尾警部補シリーズ (双葉文庫)

2点。

 

普通につまんない作品でした。

 

地の文やセリフが淡泊すぎて状況や緊張感がなんも伝わってこなかったです。

 

文自体は簡素だったので最後まで読むことは苦しくなかったですが、

別に楽しい作品でもありませんでした。

 

#49 グールが世界を救ったことを私だけが知っている

グールが世界を救ったことを私だけが知っている 01.共喰いの勇者 (富士見ファンタジア文庫)

 

3点

 

まず第一に地の文で語るべき描写をいろいろとすっ飛ばしているので、

登場人物の状況が把握しづらいという難点を抱えています。

 

そのうえで地の文そのものの癖が強いことに加え、

文や会話が成立しているか怪しい部分もちらほら見受けられ、非常に読みにくい。

 

地の文の癖が強いといいましたが、より具体的に言えば舞台演劇のナレーションみたいな文体でした。

 

辛辣な言い方にはなってしまいますが、

作者の脳内イメージ映像がある前提で、

地の文はそのイメージ映像を盛り上げるために書いたような文です。

なのである程度状況をイメージする力が要求されます。

 

総じて親切な作品ではないです。

 

ただ、主人公がやろうとしていることや、

主人公の背負う業というか、作者が描きたい主人公増がなまじ伝わってくるこので、

適度に続きを読む意欲を保持させてくれる作品でした。

 

まあ、その結末がよかったかといえば正直反応に困るのですが。

 

いえ、結末の要点だけまとめれば、べたではありますが王道で悪くないとは思います。

 

ただ……なんと評価すればよいのでしょうね。

 

物語の目指したいところはわかりますし、舞台の作りこみもかなり練られている印象は受けるので、

ちゃんと描くことができていたらそこそこの良作になっていたような気はします。

 

ただ、前述のとおり文の癖が強かったり、

状況をうまく表現することができていなかったり、

場面の移り変わりが突飛すぎて状況を把握しにくかったり、

描写が不足しているせいで物語の細部がうまくつながってなかったり、

 

・・というように物語の展開の仕方や表現技術に難がありすぎるんですよ。

 

結果、状況の理解にリソースを割かれ、

物語に決着がついたとしても「あ、決着ついたんだ・・・」という感想になってしまい、決着がついた実感が全くわかない終わり方でした。

 

ただ、全く楽しめなかったわけではないです。

 

登場人物の背景とかそういう土台の部分がしっかりしているあたり、

作りたいものに対する熱意のようなものが伝わってきて、

これもライトノベルの醍醐味ですよねって感じで嫌いになれない作品でした。

 

(ゴブリンスレイヤーみたいな世界を書きたいだけなんじゃ……って気がしなくもないのは内緒です)