いよいよ読んだ小説も50冊目です。
ということで、今週読んだ本の感想を軽く語る記事のその25です。
読んだ本には僕の好みへの適合度を示す指標として以下の基準で点数をつけていきます。
10~9:文句なしに好き。10点は特に好き
8~7:気になるところはあるけど見てよかった。面白かった作品。
6~5:面白かったけど、なんか気になる、もやもやするという部分が勝る作品。
4~3:最後まで見たけど、あまり感じるものがなかった作品
2~1:最後までみてもなんか納得できなかったり、無理して最後まで見た作品。
0:嫌い。
X:評価不可能
#50 とんび
8点。
事故で奥さんをなくした主人公が一人息子を不器用ながらも育てていく過程を描いた作品。
正直、主人公はいかにも昭和のお父さんって感じで、頑固で意地っ張りで、精神的に非常に未熟なので身の回りにいてほしいタイプの人間じゃないですね
悪酔いして息子に逆切れした挙句、「親を小馬鹿にしてすみません」って謝らせようとしたシーンは正直ドン引きしました。
ただ、なんだかんだで根っこが善人なのでぼろくそに叩くほど嫌いに離れないというか不思議な人物像でした。まあ、身近にいてほしいタイプじゃないのは間違いないんですが。
本作の最大の魅力は死や巣立ちや結婚、離婚といったイベントによって、
今までそばにいて当然だった家族が家を出ていくという状況描写の解像度の高さです。
それでいてレパートリーが幅広い。
様々なシチュエーションで家族が離れていくまでの過程と感情の変化を
じわじわと、みっちり丁寧に描ききっているのでおいて行かれる側の視点に感情移入してしまい、ノスタルジックな気持ちにさせてくれました。
やっぱ、親子の関係を描いた作品に弱くなる年ごろなんですかね。