今週読んだ本の感想を軽く語る記事のその31です。
読んだ本には僕の好みへの適合度を示す指標として以下の基準で点数をつけていきます。
10~9:文句なしに好き。10点は特に好き
8~7:気になるところはあるけど見てよかった。面白かった作品。
6~5:面白かったけど、なんか気になる、もやもやするという部分が勝る作品。
4~3:最後まで見たけど、あまり感じるものがなかった作品
2~1:最後までみてもなんか納得できなかったり、無理して最後まで見た作品。
0:嫌い。
X:評価不可能
#58 明日の罪人と無人島の教室
3点。
未来測定が義務化した世界で、将来確実に大罪を犯すと予言された十二人の少年少女たちが、無人島で更生の余地があることを示すことを求められる、というSF作品。
SF的な世界観でミステリっぽいストーリーを展開していたのですが、正直どっちつかずの作品になってしまってたかな、という印象を受けました。
どっちつかずとは言いましたが、SF要素は興味をそそられる設定になっていたと思います。
未来予測ができるとはいったものの、計算機を使って予測するので、機材のリソースを節約するために、何かしらの制約がかけている、という設定には作りこみを感じました。
その制約こそが"確実に"犯罪を犯すといわれた子供たちをその時点で処刑せず、 無人島で厚生する理由となっている、といった筋書きは好きです。
ミステリ要素のほうは特に致命的で、推理に穴があるというよりは、確実な反証はできないものの、説得力にかける推理が多く、あんまり盛り上がらなかったです。
さらに言えば、殺されたのが鳥だったり、人間の巧妙な複製品に刃物が刺さっているだけだったりで、「その犯人捜しして何が楽しいの?」と思ってしまい話に没入できる事件設定じゃなかったのが残念。
総じて、2つの要素のバランスが取れておらず、登場人物の目指すポイントが途中からふわふわしていたせいで、話が全く進まない、退屈な作品になっていたなと思いました。
ただ、文章はかなりきれいだったので読むのは苦じゃありませんでした。
#59 聖女の救済
9点。
ミステリものとしてみたときは聖女の救済が一番好きです。
トリックと犯人のイカレ具合がたまらん。
もうこれ以上の言葉は野暮。
#60 落第騎士の英雄譚
8点。
筋の通った熱い異能バトル小説。
アニメ版が大好きだったので買ったけど忙しくて読めていなかった原作をようやく読めました。
決して、巧妙に練られた物語ではないけど、一本筋を貫き通すさまが気持ちいい。
改めてみると作品世界観のまとめ方がうまいですね。
世界観とか設定の説明とか、主人公がどういう戦い方をするのかという部分が最初の50ページぐらいにきれいにまとまってます。
芯が通ってるときれいに序盤で魅力をちゃんと見せつけれくれる良作になるんだなあと、思いました。