このシリーズを初めてもう1年経つようです。
いつの間にかルーティンになっていたので頑張った感覚はありませんが、客観的に振り返ってみると週に1冊読み、きっちり感想を投稿する生活を1年間も続けられたものだなと思ったりします。
まあ、1回だけちょっとした事情で記事を書けなかったときもありましたし、何なら何回か全く肌に合わなくて全部読みきれなかった週もあるので、あんまり気負いせずにこれからも続けたいと思います。
ということで。
今週読んだ本の感想を語る記事その52です。
読んだ本には僕の好みへの適合度を示す指標として以下の基準で点数をつけていきます。
10~9:文句なしに好き。10点は特に好き
8~7:気になるところはあるけど見てよかった。面白かった作品。
6~5:面白かったけど、なんか気になる、もやもやするという部分が勝る作品。
4~3:最後まで見たけど、あまり感じるものがなかった作品
2~1:最後までみてもなんか納得できなかったり、無理して最後まで見た作品。
0:嫌い。
X:評価不可能
#87 代表取締役アイドル
8点。
少し前に読んだ本の感想で「お仕事小説があまり好きじゃないと気づいたのにまだ一冊残ってる」みたいな話をしたと思いますが、こちらがその作品です。
なのに、高得点なのは……なんなんでしょうね? 自分でもよくわかってないです。
無茶苦茶いう経営陣のいや~~なおっさんキャラはしっかり出てきますし、部下への無茶ぶり具合に胃や胸が痛くなることも多々あったのですが不思議と面白くて気づいたら1日で読み終わってました。
おそらく、お仕事への取り組み方じゃなくて、企業内の異常と戦う様子を描いていたから心地悪さを感じなかったからなのだと思います。今まで読んだお仕事小説は「徹夜残業当たり前! 無茶な突撃も本気で取り組むなら当然!」みたいな雰囲気・価値観を作中で否定する人がいなくてすごく息苦しかったのですが、本作はそういう無茶苦茶な価値観を異を唱える心情が書かれていたので、お仕事小説特有の胃の痛さより面白さの部分が勝って読み続けられたのでしょう。
しいて難点を上げるならあんまりタイトルが本題に絡んでこない点ことですかね。一応主人公らしいアイドルが活躍する機会がほとんどなかったです。
#88 ヴァンパイアハンターに優しいギャル
9点。
ヴァンパイアハンターの女の子がヴァンパイアを絶滅させたのを機に通っていた高校に復学して、クラスメイトのギャルと青春をエンジョイするコメディです。
タイトルに並べられた単語の組み合わせがあまりにも力強くて思わず手に取ってしまいました。
この手のタイトルが目を引く作品は大概、面白いのは設定だけで、お話が少し進むだけで急激に面白さがしぼんでいくイメージがあります(ド偏見)。
そして家に帰って数ページ読んだあたりで「またやっちまった・・・」と後悔するのがお決まりパターンですが、この作品は最後までしっかり面白かったです。
はい。大事なことなので2回言います。この作品はちゃんと最後まで面白かったです。
突き抜けていくような勢いがあるタイプではなく、常に安定した面白さをキープできている良作です。
平和な世界に戻ってきたヴァンパイアハンターの女の子がメイクしたりとか、友達のカラオケいったりとか、そういう普通の女の子みたいな生活に戸惑いながらも楽しんでいく様子が非常に愛らしい。
そして、普通の女の子の生活についての指南役かつ、ヴァンパイアハンターの女の子にとって守るべき日常の象徴として抜擢されたのがギャル。
ギャルとヴァンパイアハンターという濃い素材を日常パートにも戦闘パートにも上手に絡めながら、面白いお話としてきれいにまとまっている印象を受けました。
こういうの素材の調理がうまいっていうんですかね。
話は少し変わりますが、ヴァンパイアとヴァンパイアハンターの設定もシンプルに纏まっていたのも好ポイントです。
総じて、設定もおもしろい、キャラも良い、そして読みやすいの三拍子がそろった良い意味でラノベらしい良作でした。