今週読んだ本の感想を語る記事その67です。
読んだ本には僕の好みへの適合度を示す指標として以下の基準で点数をつけていきます。
10~9:文句なしに好き。10点は特に好き
8~7:気になるところはあるけど見てよかった。面白かった作品。
6~5:面白かったけど、なんか気になる、もやもやするという部分が勝る作品。
4~3:最後まで見たけど、あまり感じるものがなかった作品
2~1:最後までみてもなんか納得できなかったり、無理して最後まで見た作品。
0:嫌い。
X:評価不可能
#103 また、桜の国で
8点。
日本人外交官が第2次世界大戦開始直後のポーランドで紛争するという話です。
序盤は話が進まないというか、作品のゴール地点が見えなくてちょっと退屈だったのですが、途中からは圧倒されるような読み応えのある骨太なストーリーでした。面白かったです。
なんといっても、描写が素晴らしい。
侵略が始まった直後に一瞬現実逃避をする人々。
そこからだんだんと地獄に変わっていく過程。
侵略が本格化したあとの緊張感。
戦時下の地獄の空気が濃密に描写されており、本当にその場にいるんじゃないかと思わせるほど説得力に満ちた文章でした。
そして、そんなリアリティあふれる描写だからこそ、残虐に蹂躙される中で必死にもがく人々の姿が心に重くのしかかる。
読むのにすごく時間かかりましたけど、読んでよかったと思える傑作だったと思います。